2021年4月24~25日、三人でのシーズンは幕を閉じた。
今シーズンは前回に書いた通り、言うことなし!最高なシーズンになった。
三年目でようやく初めてのアオウオに出会う事が出来た。更には二週連続ヒットまで経験できた。
もうずっと写真見返してニヤニヤしてしまう。
友人も自分の事のように喜んでくれた。人の釣果を自分のように喜んで貰えるの、本当に嬉しい。
そんなこんなで、三人でのシーズンは大満足で幕を閉じた。
が、自分は翌週5月1日~5月2日、一人で延長戦をする事になった。
この週は仕事が忙しく夜勤で殆ど寝れない時間もあり、少しでも休みたいワシは贅沢に特急券を使い仕事から帰宅
仕事終わりの特急帰りって贅沢やな。
帰宅し、仮眠を取りいつも通り出発。
朝方に現場に到着し、いつも通り餌を放る。
久しぶりに一人釣行なので、いつにもまして静かな川辺で、朝ご飯を食べた。
最近食べてるのは十勝バタースティックパンチョコチップ入り。マジうめえのでオススメ。100本は食えそう。
仕掛けを放り、15分程で竿に触りが出始めた。その後すぐに糸が走った!!
でも軽い、、、正体は鯉くん。俺はお久しぶりでした。こいつはランディング前にバラシ
川はいつもより静か。いつも抜けていた、あの巨大アオが居ない・・・。
とはいえ、鯉が釣れてすぐ放った仕掛けにまた触りが出ている。
魚の数は季節が進行する度に、かなり増えているように感じた。去年に比べてアタリも多い。
竿は時折、ふわふわ揺れたがあまり食いそうな気配がない為、川辺で就寝した。
10時半頃、突如身体が揺れる感覚がして目が覚めた。どうやら、地震のようだ。
調べてみると、こちら付近は震度3~4程度。にしても地震よりも風が凄い・・。水面の波立ちが半端なかった。
丁度良い時間なので、撒き餌を追加。
川を眺めていると、いつも見ているサイズのデカイアオが抜けた!!本命はいる!
期待は増したが、竿は揺れず、静かなままだ。
あまりにも静かなので、寝落ちしてしまい熟睡していた昼頃
突如センサーON!!
急いで竿に駆け寄ると、そいつは真左の根がキツいポイントへ向かって走っていた!さらにはラインが2~3箇所、根に絡んでしまっている。
ラインテンションは控えめ、まずは根に絡んだ糸を立ち位置を替え外しにかかる。
なんとか上手く外れた!さっそくリフトしようと竿を立てるが・・・。
重い💦、今までで一番の重量級だろう。
沖には行かず、ひたすら手前の根や、障害物に向かって大暴れ。首振りの破壊力が先日の二匹とは桁違い。
急いで根から引き剥がしたい・・・とはいえさっき障害物に絡んだ糸が心配で、力を上手く掛けられない。そしてなにより、とんでもないパワー。いくらリフトしても浮いても来ない。。。
今回は一人なので、あらかじめ決めたランディングポイントに魚を誘導する必要があるのだが、魚が大暴れしてかなりランディングポイントから離れてしまった。
とりあえず、一度空気を吸わせてから考えよう。
尚も障害物に突っ込んだり、次は右側に向かっていったりと、かなり翻弄される。
リフトしてもその分、潜られる。
決して沖には出ずに、ひたすら手前の障害物に突っ込み続ける、あちらの魚はこの週辺の地形は全て理解できているようだ。
エイもサメも他の魚もそうだが、老成魚やそこ週辺の親玉サイズの魚になると、釣り人が嫌がる動きを本能的によくわかっている。
間違いなく、記録更新は確定の魚だろう。数分引き合い、ようやく魚の背鰭が、水面に現れる。
「でかい!!」
しかし、決して顔を上げない。空気は吸わない。またも障害物に向かって潜航。更に潜れないと分かると急に真右に走り出し、違う根へと向かう。隣にもう一本出てる竿を、くぐらせてかわす。
障害物の下にかなり点々とエグイ根があるようで、同じ場所に何度も何度も突っ込んでいく。
十数分引き合い、向こうの抵抗力がようやく弱まり、バフっという音がする。無事に空気を吸ったのだ。
この魚はなかなか観念せず。空気を吸ってもすぐに反転し、障害物に突っ込む。らちが明かないので隙をみて私が入水し、直接ランディングすることに。
全く顔を向けず、こちらを見るとすぐに水中に消える。本当に強い魚だ・・・。今まで25年間生きてきて、間違いなく最強の淡水魚だ。
数回寄せては行かれを繰り返す。もう俺もアオも満身創痍、二人きりの川辺でお互いの意地をぶつけ合った。
そしてついにこちらに口が向いた!フックポイントを確認し、気をつけてアオの口に手をかけ、全力で引っ張る。
巨人は遂に、座礁し動かなくなった。急いでブルーシートを取りに行き、アオの下に敷く。
ついに決着!人生最大にして、最強の淡水魚は無事にブルーシートにくるまった。
後は岸上げだが・・・
重い・・・とても一人では無理。今俺が一瞬でボブ・サップにでもなれなければ持ち上げる事は不可能だ。
一度ブルーシート上で暴れ、ブルーシートをはみ出そうとした為、俺が飛び込んで庇いアオの下敷きになった。痛い・・重い・・さらに飛び込んだ場所は死にレンギョの山・・・体臭がレンギョに・・・まあ、魚体に傷は付かなかったので一安心だ。
落ち着いたので、軽くメジャーを当てたが150センチを超えている。恐らく155くらいはあるだろう。
魚体にもこれ以上傷をつけたくない為、水中へ戻し、北浦で釣りをしている友人に連絡し、来てもらう事になった。本当にありがたい。
顔がデカイ・・・このサイズ一人はキツかった💦やはり150オーバーはデカイなあ。
一人川辺で余韻に浸る。まさか今回も釣れるとは。しかも150オーバーにまで出会えたなんて・・・最高のシーズンだ。体臭死にレンギョだけど。
この時は身体はボロボロだが、かなり余裕な気持ちだった。
まさかこの後、この通称150オーバーの魚がとんでもない事件を起こすなんて、夢にも思わなかったのである。
しばらくして、北浦で釣りをしていた友人が釣りを中断して現場に駆けつけてくれた。
友人に
「軽くメジャー当てたら、150は超えてたんで、おそらく150オーバーなのは間違いないです!」
と報告し、魚の元へ。水中にいたので、すっかり元気を取り戻した魚。苦戦しながらも引き上げ友人に見せると・・・
友人「デカイ!これ超えてない?!!」
とのコメントを頂けたので、間違いなく150オーバー確定と安心し胸を撫で下ろした。
だが実は、この時の友人の超えてるの意味を私は履き違えていた。
友人と二人で魚体を傷つけないようにゆっくりと岸上げした。やっぱりデカイ!!
150オーバーってこんなデカイのか!本当にカッコいい魚だなあ。
惚れ惚れしていると、友人がメジャーを当ててくれた。事件はここから始まった
お!150超えて・・・ん?え?
「ちょっと測り直しましょう」
再びスケールを当てる。????
「ちょっともう一回お願いします」
またまたスケールを当て直す。友人に片方のスケールを押さえてもらった。
・・・・ひゃ・・ひゃくろくじゅ?
おそらく人生でこれ以上ナチュラルに腰を抜かす事は、もう二度とないと思う。気付いたら身体の力が抜け、ぶっ倒れてしまった。
試しに隣に寝転んでみた。
自分は身長が165㎝しかないのだが、殆ど変わらない。。。
↑ちなみにこれが二匹目の141㎝。比べるとサイズの違いは明らかだった。
完全にパニックになるワシ。幻の幻である160オーバーかもしれない魚が、目の前にいる。
冷静になってみたが、確かにどう考えても150じゃ効かないよな。最初の一匹目が146だから、そこからたった4センチ足したサイズにしては、あまりにも大きすぎる。
友人の〈超えてない?!〉は150じゃなくて、160を指していたとの事だった。
パニック状態に陥り、どうして良いかわからない私に友人は、正式に測ろう。という提案をしてくれた。
少し悩んだが、後腐れないように正式に測ることを決めた。再び魚には川に帰宅してもらい、先輩アオ師の方から検寸台をお借りできる事になった。
更には現場に違う先輩アオ師の方が、計測の応援に駆けつけてくれる事になった。
皆様の応援や手伝いがあった事、本当に感謝です。
先輩アオ師の方も魚体をみて、160あるなと言ってくれた。
検寸台に先程のアオを乗せ、全長を測る
計測結果 162㎝
超えていた・・・
幻の幻と言われた160オーバーが私の前で横たわっている。
更に胴回り。
105センチ。
推定70キロあるかもとの事。
圧倒的な太さ。鱗のサイズもやばい。俺の人差し指が8センチ。親指が5センチちょいである。ポテトチップスサイズとはまさにこの事である。
胸ヒレも、俺の手よりデカイ。規格外すぎる。この子は胸ヒレが短い個体だと思ったが、そもそもがでかすぎる。。。
涙さえ出ないくらい、パニック状態。気持ちが追い付かず、どうしたら良いかわからなくなった。先輩アオ師の方に協力頂き、友人のシャッターで写真を撮ってもらった。
先輩アオ師の方にアドバイスを頂きながら、写真を数枚撮った。
正直もう、何が起こってるのか、俺が今何してんのかとか、全く分からなくなってるくらいパニック状態だった。
数枚写真を撮って、後は水中写真をとり、リリースをしようとなった。
魚と共に入水。
手を広げても尾びれまでギリギリ届くか、届かないか。重すぎて俺が上手く持てないせいで、上手く写真が撮れない。
魚体が上がらない・・・でももう、これでいいや。逃がそう。
結局入水しての写真は重すぎてまともに撮れなかったが今の自分にはもう関係なかった。とりあえず無事にリリースさせなければ。
と思ったのだが、また要らん世話だったよう。深場まで連れていくと自分で普通に泳ぎ、巨大な尾びれを強くはためかせ闇の中へ消えていった。
幻の幻よ。去らば。本当にありがとう・・・。
もし可能ならば、また会いに来てほしいな・・・。
この日は先輩アオ師の方から為になる話をして頂きしばらく川で余韻に浸っていたが、急に大雨が降ってきた為別れた。本当にありがとうございました。
友人も北浦で釣りをしていたのに、こんなに付き合わせて申し訳なかった。感謝しかない。
〈もしかしたら、前から跳ねてたあのデカイアオだったのかもね〉
友人と二人でそんな話になった。あくまで推測でしかない。でももしそうだったら、本当にドラマ魚だったなあ。
友人を見送り、雷まで鳴ってきたので一度釣具を畳み、近くのコンビニへ避難した。
雨足は更に強くなり、現場には当分戻れない。先程の写真を見返しながら時間を潰した。
雨が上がったのは夜中。夜も遅いので竿を出すのは朝で良いや。そのまま就寝した。
朝起きると晴れていた。竿は一本だけ出し、川辺で余韻に浸っていた。
一日経っても全く実感が湧かず、夢なんじゃないかと写真を見ながら口を何度も噛んだが、やっぱり痛い。そもそもアオの下敷きになったりして、噛む前から全身痛い。
ウェーダーにテントウムシがたかっておせっせ中。初めてが俺の死にレンギョ臭いウェーダーなんかでごめんね。。。
この日は昼から急に雹が降ってきた為、強制終了。
このあと、検寸台を貸していただいたアオ師の方の元へ。検寸台を返しただけではなく、おめでとうと言って頂けたり、更に他の先輩アオ師や、日本記録持ちの凄い先輩アオ師の方ともお話をして頂けた。記念としてアイテムまで頂けて、本当に感謝です。
皆様には本当に感謝してもしきれません。真剣に魚の扱いを考えて、生態を考えて釣りをしているホンモノな方々ばかり。
更にアオウオが好きになりました。
しばらく話し込んでしまい、貴重な時間を頂き申し訳ない。ありがとうございました。
皆様と別れ帰宅。これで本当に自分のシーズンは終わり。眩しい夕焼けを浴びながら、帰路についた。
今年は初ゲットに二週連続ゲットを体験することが出来ただけでなく、夢の160オーバーにまで出会う事が出来た。
今を思えば、もしあの160が跳ねていたあいつだったとしたら、毎週俺達を見ていて、未だにスタートラインにも立てていなかった俺に対して、そこに立つ為の最後の試練を与えに来てくれたのかな。
あのアオに言いたい。
俺は上手くファイト出来ていたかい?まだまだ慣れない俺だけど、お陰できっとスタートラインくらいには立てたんじゃないかな?って。
我ながらくっさい話だが、このアオには本当に感謝している。
人生で嬉しかった魚トップ3には間違いなく入る。てか、ワンちゃんNo.1かも笑
2年間周りだけ釣れて自分だけボウズを体験した。そしてそんな奴の3年目が、まさかこんな形になるとは、俺も友人達も誰もが思わなかっただろう。
ぶっ込みは釣れれば結局運、釣れなければ実力不足精進せよ。単純だ。でもその運を少しでもリアルにする為に日々考えて、前進する。分からなくなっても、絶対に足だけは止めてはいけない。もちろん楽しむことだけは絶対に忘れずにね。
いろいろ考えて挑んだが、今シーズン釣れた3匹も、結局最終的には運が良かったに過ぎない。
でも、絶対に諦めないで川辺に立ち続けた。3年間かけた短い一歩でも、絶対に止まらず進んでいく事は決して無駄にはならなかった。諦めなければ、必ずその日は訪れる。だから絶対に諦めない自信もあった。
だって出会えたら、辛い日常や出来事をその一瞬、全て吹き飛ばしてくれる魚に出会るんだから。だからこれからもきっと諦めない。
幸せだね、うん。
我ながらきったねえ良い笑顔ができてると思う!!3年間の集大成、そしてようやくスタートラインに足を揃えることができた。
来年、いや、今度からは時間を見つけていろんなシーズンのこいつらを見てみたいな!
2021年、本当に最高のシーズンでした!!
まだまだスタートラインに立ったばかり、99.9%分からないから楽しめる事だらけだ!!最高だ!!
またな!!!!
最後に、検寸台を貸して頂いたり、計測を手伝って頂いたり、おめでとうと声をかけてくれたり、アドバイスをくれた優しいアオ師の皆様、本当にありがとうございました🙇
後は、北浦で自分の釣りをしていたのにも関わらず、躊躇なくサポートに来てくれて、最後の最後までサポートしてくれた友人、本当にありがとう。
皆様の力のお陰で、記憶にも記録にも残る最高の魚達に会うことができました。
本当に最高のシーズン、幸せでした。
2021シーズン 完