それでも旅へ行く。

釣りや昆虫採集の自分用日記です。自分用ですが、私と仲良くして頂いている方は是非覗いて行ってくれると嬉しいです。

島旅、はじまりの大地、『小笠原諸島父島』2

3日目。

 

再び釣具屋にこもった。店主にいろいろ相談をするとこんな言葉をくれた。

 

『大物釣りをするにも、まず小物から。少し力を抜いて、小物でも狙ってみなよ?大物釣りのヒントは、常に小物が持っているよ。』

 

間違いないよな。せっかく楽しい釣りが出来る場所に居る。今は釣りを楽しもう。前の私はその言葉を深くは理解せず、ただ釣りを楽しんでほしいという店主の気遣いだと思っていた。

 

そして、今になってこの言葉は間違いのないものだと感じる。200キロの魚のヒントは、20センチのハタが持っているし、15センチのエソだって持ってる。ぶっ込みはただ投げてファイトするだけでなく、パズルゲームが如く情報を海から聞き出し、常に巨大魚に対して万全な体制で構える事が必要不可欠だ。

その重要なパズルは魚達が持っている。

 

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さっそく釣れたツチホゼリ。このハタは1番好きなハタ。とても鮮やかな色をしている。

 

 

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いろんな魚を釣り上げていくに連れて、少し感じるものがあった。これをすぐに形にしたい。

 

この日始めてぶっ込みを投入した。

しばらくしてアタリ。今回もかなりの重量だが何故か今までより冷静に対処できた。

 

あっちに行かせたらマズイ。こうさせてみるか?いろいろ試行錯誤をした。この辺りから、minuanoとの息が合ってきた。

次第に、魚の抵抗が弱くなる。今までなすすべもなかった魚が次第に岸により始める

 

どれくらい闘っただろうか?私を怯ませた、ヤツはついに正体を現した。

 

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は?こ、これは??。。。

ただただ驚愕だった。どんな魚が来てもと覚悟を決めていたが、いざ目の前にするとその大きさに、只々、圧倒された。身体には3匹のコバンザメが付いていた。もはやテレビや水族館で見るような巨大魚だ。

 

しかしついに追い詰めた巨大エイ、必ずものにしたい。ここからは砂浜へ、ランディングポイントへと誘導するだけ。

 

しかし、そう簡単には行かなかった。元々腰を痛めている私。エイの決死の潜水についに身体が悲鳴をあげてしまった。

 

腰に急な痛みが走り、その場に付した私。

 

ここぞとばかりにエイはそこを見逃さなかった。

 

最後の力で潜水した巨大エイに対応していく事ができず、再び敗北した。

 

この敗北で、自分のファイトスタイルの見直しが必要な事がわかった。負けたけど、今回は前回とは違い、圧倒的に無理だと思わされることはなかった。後一歩なんだと。

 

身体が痛いので宿で休憩。宿で仲良くなった人達とロビーで談笑して過ごした。ダイビングをしに来た人、学生、旅行に来た夫婦、小笠原に旅しに来る人は初対面でもすぐ仲良くなっていた。

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その後は宿の部屋で仮眠。

 

次に出撃したのは夜。まだサメもエイも釣れていない。この時は、島で仲良くなった観光客の方とライトゲームをしながらぶっ込んでいた。

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ライトゲーム?まあ、小笠原は30センチなんて当たり前な魚達がよく釣れるから楽しかった。

 

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よく釣れるイットウダイの仲間、テリエビス。

にしてもこいつの背びれは鋭く、終いにはエラ蓋にもトゲがあり扱いに困った。しかもなんかヒリヒリするし!

 

旅先で出会った方も良型のハタをゲットしていた。実際の友達でなく、島で仲良くなり繋がれる人達がいる。私が1番、旅で楽しくて、嬉しくてたまらない瞬間だ。

 

そして、その人が帰り、再び静まった世界。ぶっ込み竿に遂にアタリが訪れた。

 

『ギィィィィィィィィィィィ!!!』

 

リールから今までにない、スピードと音で糸が出ていく。すかさず竿を持つ、前回のような重みはない。だが、スピード感のある引き首振り、何が掛かっているかはすぐに理解した。

 

憧れていた、大本命である事も。

 

手前のロープを交わし、階段へ。海に自ら入り迎えに行く、1年前、指をくわえて見ているしか無かった彼らをついに地に伏し、決着を迎えた。

 

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念願のサメである。ネムリブカ、英名ホワイトチップ。

彼らを釣りたくてここまで来た。まだ小柄ではあるが、しっかりとサメの風貌を醸し出し、見ているだけでワクワクする。なにより、ここまでの敗北を重ねた挑戦が遂に実って嬉しかった。本当に魅力的な魚である

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シルエットが完全にサメ。いやはやカッコ良い。ちなみにネムリブカは底生のサメ。遊泳性の強い沖ザメとは違い口が少し下めについている。

 

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オサメサマ抱っこ。口を開けば立派なサメ。てかその断末魔の声上げてるみたいな表情辞めて笑。

 

今までアドバイスをくれた釣具屋の店主や、島民の方のおかげだ。人との長い繋がりがこの魚に結びついてくれた。より一層嬉しくて仕方がない。

 

リリースする時、いろんな感謝の気持ちが高ぶり、少し涙目になった。やったよ。オレ。。

 

その後はしばらく釣りをするもあたりが遠ざかり、島で仲良くなった観光客の子が連絡をくれたので宿に戻り夜通し遊んで、夜中遅く眠りについた。

 

ただ、まだあの大きな壁を崩すには至っていない。サメが最終目標だった今回の旅。もはや私の指針は違う方へ向いていた。

 

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やつに一矢報いたい。今回の旅の集大成。なにを得たかを形にするために。。。

 

満を持して、最後の夜になる、決着の四日目を迎える。