◎6日目
再びポイントを移動。違う県へ。
この日を堺に虫の寄りや雰囲気が変わる。
蛾や羽アリが自分のライトに無数な数群がり始める。今までここまでエグい寄り方は無かったのでびっくり。
それ以外にもなにか雰囲気の異変を感じるも、この日も普通種が沢山捕れたのみで終了。
◎7日目
再びの県移動。
そろそろ体力が大幅に削られてきた。なにせ午前中は観光、午後は昆虫採集で睡眠が明け方4時過ぎ〜朝7時とかまでを毎日続けていたから。いや、20代前半とかなら2〜3日寝なくても余裕だったはず。。。年をとったのかもなあ。
そんなこんなで観光をし、その後疲れた身体を癒やす為、温泉にでも浸かりに行く。頼むぞ、Googleナビ氏。
ナビの言う通りにして、数分後。またもやGoogleナビ氏の暴挙の犠牲者となるワイ。
ボロボロな身体にムチを打つ、未舗装超狭道。
温泉なんかこんなとこにあるか?。。。
〜30分後〜
Gナビ「目的地に到着しました♪」
ワイ「。。。。。?????」
意味不明な石碑に案内されたワイ。温かい湯などなく、冷たい石がただただ寂しく立っているだけの未舗装狭道のど真ん中へ案内され、身も心も疲弊してしまった。
その後なんとか温泉へ辿り着き、一息。
ワイ、風呂上がりの一杯はミルクコーヒー1択です。
日暮れより、再び採集へ。
この日は夕立があり、かなりの雨を喰らった。
しかし数日前の冷たい雨とは違く、雨後も気温が下がらずムシムシとした気候に。挙げ句、昨日と同じで羽アリがライトにまとわりつく状態に普通種の飛びもかなりのもの。この2日間で感じとったこの異様な雰囲気、なんとか後は形にしたい。必ず良い状況だと確信を持ったから。
そしてその時は訪れる。
街灯エリアを周回中、道のど真ん中にカブトムシが飛来し落ちていた。更にその隣にオーラを放つ黒い光が。。。
居た!!!
飛来したての女王。ちなみに見つけた瞬間に翅を開こうとしたので急いで裏返しました笑。
前胸背板と上翅に生まれつきとは違う傷をつくっていた。これだけ固いボディを凹ませたのは、もしかしたら同種?。。。
傷だらけの野性味溢れる個体。女王ながら厳しい野生を生き抜いた個体。とてもカッコイイです。
確実に飛ぶんじゃないか?と思ったタイミングだったので、結果に結びついたのは本当に嬉しかった。
この後、本命には出会えなかったが、とにかく普通種の飛来がすごかった。探してる最中にまた飛来してくるとかもあって、終始クワガタが拾えた。
こういう条件が重なると良いんだなあと本当に勉強になった。単純じゃないから面白い。また良い経験が出来たな。
◎8日目
この日は観光予定を立てず、明け方からひたすら寝た。めちゃくちゃ暑いのに昼頃まで目が覚めなかったのは危なかった。体力尽きると暑さとか関係ないんやな。
道の駅でご飯を食べ、たまった洗濯物を洗濯しにコインランドリーへ。付近の飯屋散策を軽くして気付いたら夕方に。温泉に再び浸かり、疲れを癒やした。
風呂上がりの一杯は(以下略)
この日は夕立がとても長かった。そして昨日一昨日とは雰囲気が変わった。いや、普通に戻ったって感じかな。。。ひとまずボーナスタイムの終わりを感じたのだ。
この日から7月に一緒に遊んでくれた先輩が、また同行してくれる事になった。
夜に先輩と合流し採集開始。普通種の数、羽アリの数は先日より減っていたが、それでもクワガタとカブトムシは普通に拾える。
しかしこの日は本命には出会えなかった。難しい。
◎9日目(最終日)
この日は先輩がお昼御飯を共にしてくれる事に。
昼前に先輩と合流し、最初に捕った王様のサイズ測定に立ち合って貰った。
65は超えてるか分からんくらいだと思っていたが、先輩がノギスを当ててくれてびっくり
超えていた。。。
まさかの66ミリ。街灯初採集のオスが大歯で65ミリオーバーは出来過ぎや。。。再び感動で瞼が熱くなった。また、この王様をクワガタ採集の師と言っても過言ではない先輩に見せる事が出来たのも嬉しかった。
運が殆どの世界だが、その運を少しでも手繰り寄せる為にいろいろな条件を読むのは釣りと同じ。形にならないことが殆どだから、形になった時はもう、本当に感無量で、本当に嬉しいし辞められなくなるのだ。
クワガタを見せる事も出来たのでラーメンへ。勝手に時間前に即閉店する店が多く、途中昼飯難民に陥ったが、無事にお母さん食堂みたいな温かい店に入れて美味しいラーメンが食べれた。先輩、ご馳走様でした。ありがとうございました。
1度先輩と別れ、再び温泉へ入り最終日なのでお土産を購入。
夜になり、先輩と合流し最後の出撃。ガードレールに無数の羽アリが張り付いていて、クワガタやカブトムシも飛来していたものの、大分落ち着いてしまい、最初に比べて数が減ってきてしまった。
お土産のノコギリクワガタをキープ。本命には出会えずに最終日が終了。先輩と解散し、これにて遠征全日程が終了。
頭の中にぼくなつのエンディングが流れて来た。夏休みが終わる。絶望の瞬間だ。本当に楽しかった。
帰りはタイヤがバーストするハプニングもあったが無事に帰宅する事が出来た。
結果としては本命が3匹捕獲、そのうちの一匹が大歯のオスという、もはや出来過ぎな結果であった。
手にたからせてパシャリ。マジでカッコイイ。
もうこいつ見ながら何杯でも飯食える、しかも飽きずずっと美味いことだろう。
昨年の街灯はメス1匹のみしか採集出来なかったが、今年は7月合わせて、オス1、メス3の計4匹を採集する事が出来た。
街灯も昨年よりずっと成長する事が出来て、また昆虫採集がより一層楽しくなってしまった。
奥が深くて一筋縄では行かない王様採集。
それは樹液も街灯も同じだった。また来年、灯りの下に佇む王様を夢見て、あの世界に戻ろうと思う。
最高に良い夏だった2023年。来年はどんな虫に出会えるのだろうか。
(番外編、9月街灯)
8月で終わりにする予定であったが、先輩に季節の終わりも実際に見てみたほうが良いとアドバイスを頂き、まさにその通りだなと感じたので再びの街灯採集へ。
2日間と短いが、2県を跨いで採集を行った。
結果として、本命に出会う事は出来なかったが、気温が高いせいかクワガタはまだチラホラ居た。
とはいえ、大盛況だった街灯にカミキリムシやカブトムシの姿が消え、少し標高を下げると秋を代表するヤママユガも沢山居た。
クワガタもドルクス属のコクワやアカアシが中心。
気温は暑かれど、もう夏の活気は消えてしまっていた。とても淋しかったが、また来年。
沢山の虫に巡り合える事を信じて。虫達楽しい夏を本当にありがとう。
〜2023年.街灯採集 完〜