2021年2月、再び友人と三人で集まりポイントを選定。去年のポイントも充分釣れていたが、新しいポイントを開拓し入ることになった。
諸々諸事情があり、釣行に行くお金さえなかった私は、遅めの3月27日からシーズンinとなった。
既に私が入る一週前に本命は一本上がり、アタリも多数出ていたとのこと。
期待は出来るが、昨年の事もあり少々自信をなくしていた私。とはいえ準備して、やれる事はやったつもりなので、後はどっしり構えて全力で楽しもう。なにより釣りは趣味、釣れない時間を全力で楽しむ事に、多くの意味と醍醐味が詰まってる筈だ。
3月27日~3月28日
釣行初日、いつも通りの待ち時間、川を眺めていたが、生命感に溢れていて、本命の抜けもあり、雰囲気はとても良かった。
友人3人と川辺で駄弁る時間、とても楽しいし日々のストレスから解放され気持ちも楽だ。
この日も友人にしっかりヒット。
慣れた手つきでファイトする友人。流石です。これで三年連続、人の魚ではあるが、本命を拝むことが出来た。
今年のポイントも間違って居ない。
後は釣るだけ、自信なんかないけど今年こそ。。。
この週は更に友人が二本目を追加。サイズはともかく超重量級。何匹も見てきたけど流石にびっくりで分厚く、三人掛かりでようやくランディング出来た。
この週、私は釣ることが出来なかったけど、本命の存在はしっかり確認できた。後は本当に釣りたい。
翌週4月3日~4月4日も参戦。
雰囲気は相変わらず良く、魚の数も多い。
この日は午前中は特になにも起こらなかったが、夕刻、二人で爆睡していた中、センサー音で叩き起こされる。友人の竿に本命が掛かった。
今回の魚は、かなり強く見え、友人自身も今までで掛けた中でもかなり強い方だと言っていた。
サイズも140センチに近くなり、日が経つ毎に魚も元気になっていく。友人は去年、160センチという壁を突破しているが、誰が釣ることになっても良いから、一度は見てみたい。果たしてこのポイントにも160を超える幻の幻は現れるんだろうか。。。
この翌日、友人がもう一匹釣り上げてこの週は終了。この日を境に、私は今までの釣竿一本体制を辞め、新しく石鯛竿を新調した。翌週からは少しでも魚と会える可能性を上げるために、二本体制で望む。
俺の好きな緑色が基調になる、渋くてカッコよい石鯛竿。この竿、めちゃくちゃカッコいいんだけど。。。
何故か竿尻が紫色に塗装されてる。。台無しじゃん!!・゜・(つД`)・゜・。せっかくの渋いカッコよさが、この紫のせいでむちゃくちゃ奇抜な竿みたいになっちゃってる。。暇な時に削るか。。。
友人に見せても笑われ、ちょっと可愛そうな御披露目となったが、翌釣行からはバンバン釣り場に立って結果を出して貰うしかない!期待は充分。
竿を新調し、二本体制で望んだ4月11日~4月12日。
この日も最初からアタリがある訳ではなく、静かな雰囲気を川辺で過ごした。ただ、この週辺りから明らかにいつもより巨大な本命の抜けが確認出来るようになったり、更に雰囲気は増している。
お前が噂の160なのか。。。
川辺で弁当食ったり、寝たり。幸い天気も良くて居るだけでも心地よい。ただ唯一、気になる事は今年はハクレンのご遺体が多すぎて悪臭が半端ないという事。まあ正直もう馴れてきた。
日没時間になり、餌を巻いて、夜のアタリに備える。個人的には、もうしばらく当たらないかなと考え、トイレ+ポテト食いたくなったので友人に竿を見ていてもらい、一人近くのコンビニに買い出しに向かった。
すると19時55分頃、友人からこんな連絡が届く。
コンビニで呑気に排泄していた私は一気に緊張モードに。ティッシュさえまともに取れない。嘘だろ。3年間で初めてのアタリがコンビニのトイレで排泄中の時になんて💦
世界一緊張感がある排泄を終え、コンビニで頼んだ揚げ物を受け取りコンビニを駆け出した。
現場に戻ったのが20時10分頃。友人が針が外れず向こうが暴れないよう、魚をコントロールしてくれていた。
魚は沖に出ている!と指示を受け、竿をバトンタッチ。改めて、追い合わせの意味も含めフッキング!!
ついに、自身の竿に間違いなく本命と理解できる重みが乗った!後ろから友人が落ちついて!!と声を掛けてくれていたお陰で、自分自身驚くほど冷静になれた。
沖に出ていたお陰である程度、沖で弱らせて寄せることができる。今まで人がファイトしていたのは沢山見てきたので、手前で暴れさせる事がこのポイントでは一番危ないとわかっていた。
無理矢理引っ張らず竿で魚の声を聞き取りながら、行かせるときは行かせて、巻ける時は慎重に糸を巻きとった。
もしかしたら大物釣りで一番慎重にファイトしたかもしれない。
ついに手前に魚がよってきた。しかし予想以上にスタミナがあり、まだ完全に弱らせられていない。手前の障害物に糸がスレ始める。今まで冷静だったが、ここに来てパニックに陥りそうになった。必死に自分に落ち着けと、心の中で言い聞かせた。
心の声は次第に口に出てくるようになる。
「頼むよ、お願いだから、もう上がってくれ!!」
願いが通じたのか、ついにアオウオが顔を上げた。バフっという低い声。空気を吸ったのだ!!
ファイトは終盤、一度空気を吸ったくらいではまた水中に戻っていってしまう。とはいえ、もうドラグを引き絞るような抵抗力はなくなっていた。クラッチを切り指ドラグに変更。急な暴走に対応する為だ。
友人はブルーシートを持ち、いつでもランディング出来るように構えてくれている。
ひたすらリフトして、もう一度アオに空気を吸わせ、ランディングポイントに魚を誘導する。
「とった!!!」
友人の声が響き渡った。竿を置き、自分も入水しアオウオを持ちあげランディング。魚体を傷つけないよう、友人とゆっくりゆっくりとランディングポイントに運ぶ。この時、既に自分は涙目だった。
そしてついに、その時が訪れた。
俺&友人「やったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
狙い始めて三年目、2021年4月11日、20時半頃。
この瞬間だけを信じ楽しんできた。二年前、釣るまで諦めないという言葉を胸に刻んで。。。
友人と泣きながら抱きあった。握手して、私はその場に泣き崩れ、倒れ込んだ。
力が抜け倒れた俺の横には、夢にまで見た魚が横たわっている。
最後の力を振り絞り、ブルーシートについた水を顔面に擦り付け顔を冷やし、その魚体に顔を伏した。
涙は全く止まってくれない。でも最高の気分だった。
長くて長くて、心のどこかでは、一生会えないんじゃないかと思っていた。何度も何度も口の中をかんだ。痛いから夢じゃないんだと再確認して、また号泣した。
そっと魚体に手を置いた。
辛い私生活も、疲れも全てを吹き飛ばしてくれたアオウオを、涙で霞んだ目で眺めて思った。
俺ってなんだかんだ幸せ者かもな。。
測定と写真撮影は翌朝一番に行った。
146センチ。初の魚体が140オーバー。個人的には出来すぎだった。
重くて腰が砕けそう。でもこんなに心の底から笑顔になれたのは本当に久しぶりだと思う。
こんな顔してるけど、本当に最高の気分。魚体がとても綺麗な個体。友人と協力したお陰で傷も付かず最高な写真も撮れた。
そろそろアオ君もうんざりしてるだろうからリリースしてあげよう。本当はずっと見ていたかった。
リリースの瞬間、力強くアオウオの背中を押す。
正直、アオウオに俺が力添えする必要なんて一ミリもないくらい元気で、俺が目指した三年間はあっという間に川の深場に消えていった。
涙が込み上げた。ありがとうね。。。本当にありがとう。
最高の気分で、川を上がる。
そこで一つ気がついた。写真撮影中は一ミリも気にならなかったのだが、太りすぎて今まで着ていたウェーダーがちゃんと着れていなくてどんどん下がっていき、ズボンからパンツまでびしょびしょになってしまっていた。
相変わらず、スマートに終われない俺。まあこれで良いや笑。今は最高の気分だから。
気を取り直し、再び仕掛けを放る。川辺で友人と話ながら過ごす。友人も三年間ずっと俺が釣ることを願いながら一緒に釣り場に立ってくれていたので、本当に感謝しかない。
お互い肩の荷が降り、これでこれからも存分、アオウオ釣りを楽しむことができる。
その日は友人の竿にもヒット!もう慣れた手つきでファイトしている。このファイトを身近で見続けられたのも、俺がバラさず釣り上げられた最もな理由の一つだ。
無事釣りあげられた150センチの良型。友人は去年、150センチ代を飛び越えて160.5を釣り上げているのでこれが初の150センチ代!おめでとう!
まさかのダブルゲットまで出来て、この日は二人大満足で帰路についた。
翌週4月18日~4月19日。
久しぶりに三人が揃った釣行。
先週に引き続き、朝にめちゃくちゃデカイ本命の抜けを確認。マジデカイ。。
この日は朝からハクレン釣りをしながら気長に待った。死にハクレンが多い中、時々生きているハクレンも泳いでいた為、釣れるかなあと思いチャレンジ。遠いながらも触りがあり期待を持てたが、なかなか本アタリが出ない。
すると、友人がヒット!しばらくして自分にもヒット!!正体は。。。
もうお決まり。アメナマちゃんです。
結局ハクレンは掛からず、ふと石鯛竿に目をやると、なんとブンブン揺れている!!
友人に向かって
「竿当たってますよ!!」
と伝えると友人が
「あれ沼さんの竿だよ!!」
もはや、自分の竿かもわからぬくらい冷静さを失う俺。レンギョ釣りを中断し急いで竿に駆け寄る。
フッキングが無事に決まるも、今回の魚は前のように沖に走らずひたすら手前で暴れまくっていた。
手前には障害物が多く、かなり厄介。案の定糸が障害物に擦れて、思うようにファイトできない。
慎重になればなるほど主導権は魚に移り、好き勝手やられてしまう。まずい。。。
らちが明かないので、一か八か指でスプールを押さえてリフト。向こうもかなり消耗していたらしく、意外と素直に浮いてくる。
浮いて、潜られを繰り返し、ようやく弱った所を友人二人の協力で無事にランディング。
私「よっしゃあああああ!!!」
まさかの二週連続ゲット!!先週の魚よりサイズは小さそうだが、太い!!
サイズは141センチ。太さは間違いなくこちらに軍配が上がるだろう。
でもそんなことどうでも良い。もはやサイズなんて関係なしに喜べる魅力がこの魚にはある。
この魚は先週の魚に比べ、魚体が斑模様に彩られめちゃくちゃカッコいい!一匹一匹に魅力がある。本当に良い魚!
嬉しくて、腕枕させて貰った。普段陸上じゃなかなか起こさない胸ヒレを起こし顔面を抑え込まれた。相変わらずワシ、嫌われてそう。
二週連続で来てくれるなんて、これ以上のドラマがあるのだろうか。。。三年間諦めないで楽しみ続けて、本当に良かった。
リリース前に水中写真をパシャり。
また泣いてるよ、汚い顔だわ。でも本当に最高な気分なのでこれでよし。
感謝の言葉を述べ、リリース。ありがとう
あ、ウェーダー新調しました。漁師とか農家の人みたいとひたすら言われます。誉め言葉だよな?。。
二週連続釣れて、大満足な私。気を取り直し仕掛けを放る。
友人二人の協力で今回も無事に魚を見ることが出来た。本当に感謝。このあとは川辺で三人で祝杯をあげながらお菓子食べて話に花が咲いていた。
この日の夕方、再び友人に魚がヒットする。なかなか手前をうろうろする厄介なファイター、だが友人は難なく無事にゲット。自分のよりもデカイ、ナイスコンディションの魚でした。
本当に太いな。
今年は参加してから毎週魚が見れている。
本当に凄い。挑戦一年目に友人と毎日ボウズ食らってたのが嘘のような釣れっぷり。
このあとは雨が降り、寒い時間が続く。翌朝晴れるも、今回は友人の竿に何か反応があるが、これ以上釣れることなく終了した。
翌週4月25日~4月26日(今シーズン最終日)
今回が三人での最終日。
相変わらず、桁違いにデカイ本命が跳ねている川辺。あいつが竿に食い付く事はあるのか。。。
最後にみんなで釣れると良いねと話していたが、そんな心配を吹き飛ばすかのように、友人が無双した。
朝一、友人の竿にヒット!!またもなかなか良いサイズそう!言うまでもなく友人の勝利。こいつも150オーバー!日に日にサイズが上がってる!最終日なので、このアオに協力してもらい、三人で記念撮影をした。
皆がシーズンをやりきったよい顔を出来たかな。
その後もすぐに友人がもう一匹を捕獲
こやつも良いサイズ。障害物に糸が絡みかなり苦戦していたが、取れてしまうんだから流石である。
まさかの速い内に二匹捕獲してしまう最終日。本当に良い場所に入れたんだなあと確信した。
更に快進撃は続く。。。その後に友人が久しぶりに鯉を追加。
綺麗な鯉だった。昨年の今頃俺も鯉釣ったなあ。。。
昼時に再び友人の竿に本命ヒット!!
まさかの三連発!!!友人通算20本目!流石としか言えない連発劇。最後まで本命を沢山見る事が出来た。
最後なので、三人で特にいろいろしゃべってたかな。名残惜しいというか、寂しいというか。本当にくだらない話が多いのが、楽で楽しい。
二日目ラストも皆で話ながら楽しく最後、川辺で過ごした。最後に友人の竿にアタリが出たが、最後まで食い込むに至らず。
2021年シーズンが終わった。
今シーズン、ついに本命と出会う事が出来た。三年間、釣れなくても本気で楽しんだが、こんなに本気で笑って泣ける魚に出会えて本当に幸せすぎる。初挑戦の時、エイやサメ程の熱意のなかった私は、今同じくらいこの魚にはまってしまっている。
一匹一匹が一生に残る思い出になる。釣り人として記憶に残る釣行がこんなにもできるなんて最高じゃないか。。。
今シーズンは本当に満足だった。沢山サポートしてくれて一匹に辿り着かせてくれた友人達には本当に感謝。そして釣れた事を本気で祝福してくれた釣り仲間達にも本当に感謝。
思ってる以上に周りを巻き込んで釣りをしていたようで、釣れた時いろんな人から連絡もらって驚いた。ありがとうございました。
そういえば、三週くらい連続で水面を爆発させていた巨大な本命。俺が釣りたいなんてデカイ口は叩けないけど、あいつもいつか見てみたいね。幻の幻、160ランカーの世界を。。。
これにて三人での2021年シーズンは終了!!最高なシーズンになった!!
友人二人、そして会いに来てくれたアオ達!!本当にありがとう!!
そして、この釣行を終えた翌週。私はポイント調査もかねて一人で居残り練をする事になる。