それでも旅へ行く。

釣りや昆虫採集の自分用日記です。自分用ですが、私と仲良くして頂いている方は是非覗いて行ってくれると嬉しいです。

青い桜に魅せられて(アオ編①)

2019年、3月17日

前日に茨城県の大洗で、会社の同期とキャンプをしていた私は、友人がとある魚を狙っているという話を聞き、一目見てみたいなあと思い、途中合流。

 

その魚は幻とか言われたりしていた。

滅多に見れるものではないと聞いていて、ただそんな魚を自分の買いたての一眼レフで撮ってみたいなあなんて、軽い気持ちで友人の釣行に参加した。

 

その日は天気が悪くて、川辺でひたすらアタリを待つスタイルのこの釣りには最悪のコンディションだった。

 

途中、買い出しに30分ほど離れたスーパーへ歩いていると、台風でも来てるのかと思わせる豪雨。もちろん傘は持っていない

ひたすらビショビショ。寒い。辛い。

 

もちろんアタリなんて皆無な世界で、この当時正直離島でエイやサメに向けるほどの情熱をこの釣りに感じない私は、来週は行かなくていっかな~なんて気分で川をぼーっと眺めながら、ナマズ釣りをしていた

 


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ほんとどこにでもいるなコイツ。

 

その時、川の真ん中で、とてつもない爆発がおきた。

は??なに?え?魚???爆弾??

一瞬パニックになり、身体が震えた。友人が言うにはそいつが、本命。

 

その名をアオウオと言うらしい。

 

企画の外、まさに幻が躍り出た瞬間を目の当たりにし、感動や畏怖の念、様々な感情が身体を駆け巡った。

 

これが間接的だが、私とアオの初めての出会い。この日の釣行はこの後なにがある訳もなく終了したが、あの「抜け」を目の当たりにしてから、自分のアオウオに対しての気持ちが強くなり、見れたらいいなーから見たいへとハッキリ変わったのである。

 

その翌週末、場所を変えて友人と再び川に立っていた。自身もスーパーで買ったシジミを用意し、形だけのアオ釣りに参加した。


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今見るとかなりいい加減笑。この時は、正直友人が釣ってくれて、自分が写真を撮りたいという意識が強く、そこまで本気ではなかった。

 

仕事の夜勤明けで直行参加した私は川辺ですぐに眠りについた。

二時間ほど経ち、目が覚めると大雨が降っており、身体も寝袋もビショビショ。雨が降っても起きないとは。。。とんでもなく冷えた身体は、この釣りの過酷さを物語っていただろう。簡単に取れる魚ではないと。

 

しばらくして、雨が上がり、ポイントの横でレンギョ釣りをした。依然、本命のアタリはなく氷点下の時を竿の前で過ごす。

この時は、もう一人友人と合流し、話に花が咲いた。こんな一時も良いなと思った。

 

翌日、友人が一人帰宅し、釣り再開。


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荷物凍っとる笑。寒すぎるんじゃああああ!!!

 

以前本命のアタリもなく、昼を回った。自分は疲労が溜まり、河川敷でポカポカ陽気を浴び爆睡していた。ワシの世界を揺るがす大イビキさえかきけす強風が河川敷に吹き荒れていて、他の釣りができる状況でもなかった。

 

数時間経って、突如リールのクリック音により目を覚ます。

遠くを見ると友人が竿を弧に曲げ、なにかと闘っている。急いで向かうと

 

友人「アオだ!!!」

 

人の魚なのに何故かめちゃくちゃ緊張してきた。なにより友人のこの魚に対する気持ちの真剣さは話を聞いていて痛いほど自分に伝わっていたからだ。首降りの力はかなり強くみえ、竿が絞られる度にヒヤヒヤしたが、友人の安定したファイトで徐々に抵抗が弱まっていく。

ファイトが終盤に差し掛かり、ついにアオが水面に表れる。初めて見るアオウオは、とにかく巨大、淡水魚に似つかわしくないサイズに迫力もある。とにかく形容しがたく、独特で異質な存在だった。

アオは完全にギブアップ。頭を上げ降参していた。あとはランディング!。。

しかし、隣で出ている竿のミチイトと絡んでこれ以上こちらに寄せられない。。。

既に友人の夢の魚は、私の夢の魚にもなっていた。私は躊躇なく網を持ち入水。

アオとの水中戦へと持ち越んだ。力強い魚体に翻弄されながらも、無事に網にアオウオを入れ、岸にいる友人に渡す。

 

友人「とったああああ!!!」

 

幻といわれた魚はついに岸に横たわった。緊張が喜びに変わった瞬間。満身創痍の2人の歓喜は今でも忘れられない。


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本人は大きい方ではないと言うが、淡水魚でこのサイズ。あまりにもデカイだろ。。。


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でっぷりと太った身体。なにより、サイズ以上の迫力と感動が、この魚にはあるんだなと直接魚体を見て感じる。いやあ、俺は釣ってないのに最高の気分だ。

 

この釣行を境に、自分もこの魚を抱いてみたい。掴んでみたい。と思うようになってしまった。釣り人特有の病にかかったのである。

 

当時短い竿ばかり使っていた私は、この後、短竿が不利になると感じすぐに竿を購入することにした。

当時、鯉竿や石鯛竿の知識が無い私は友人に相談したり、本を読んだりして情報を集めたが、その中でも1番目を引いた竿があった

 

Daiwaメーター倶楽部巨鯉HH525b


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ロッドのパッケージの対象魚に青魚と書かれていた唯一のロッド。自分の直感ですぐにこの竿を購入、翌週からはこの竿をメインに釣りをすることになった。

 

翌週からも友人とずっと川辺に立ち竿を出していたが、友人に鯉がかかっただけだったり、自分に唯一、大きなアタリが来たり、ドキドキする事がある日もあれば、全く竿が揺れない日もあったり。

雨や冷気で身体が凍りつきそうになりながらも、寝袋を身体にまとって耐えていたり。朝になるとくるまっていた寝袋が凍りついてパリパリになっていたのは、本当に驚いた。なんで寝れたんだオレ。。。

 

しかし、川に立てど本命のアタリは一切なく、シーズン終盤。

 

最終日は少し場所を移動し、新地で竿を出すことに。朝から大雨。逃げる場所は無いが、ただ本命のアタリだけを信じて竿をだした


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雨はあがり、その日の夕方。ふと自分の竿を見ると竿先がフワッと揺れていた。すぐさま友人を呼び川を眺めていると、自分の仕掛けの真上を本命が躍り、水面爆発。それが数回続いた。

心拍数が一気にあがり、身体が震えた。もしかしたら幻に触れる事が出来るかも知れない。。

淡い期待を抱きながら待つも、この日は何も起こらず。翌日、最終日に全てをかける。

 

翌朝、仕掛けの打ち返しを行う。すると自分の仕掛けが大きく右にずれて友人の仕掛けと交錯しかけていた。

これで間違いなく、自分の仕掛けに本命がついたと確信。同じ場所へ打ち返し、ただただ緊張の時間を過ごした。

 

昼頃、お昼寝から起き、川に向かうと友人が竿の前に立ち、竿先を見ていた。

友人の竿に本命がついたようで、竿がフワッフワッと揺れていた。

前触れはあるが、なかなか食い込まないもどかしい時間。

そしてしばらくたって、遂に友人の竿が絞り込まれる!

約1ヶ月振りの本命のヒット!!

自分もいつでもサポートできる体制に入り、緊張が走る。以前よりも大きそうなサイズ。

相変わらず強い首振り、しかしスタミナ尽きた本命は無事、友人の手に収まった。


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前に見た個体より明らかにデカイ、いや、まじデカイ。毎回この魚を見ると形容し難い気持ちになり、上手く言葉がでなくなる。いつかこの手に抱きたいと強く思う。また、友人がこうやって喜んでいる姿を、当初の目的通り、記憶に残すシャッターを切れる事、とても幸せに感じた。。。

また来年、釣りに来よう。。次は自分の番だ!!。。。と最後に河川に思いを馳せた。

しかしこれで終わらず!

再び友人の竿から糸が引き出されていき、ファイト開始!後ろで見守っている俺視点でも、さっきより更にデカイ魚であることは容易に理解できた。右へ左へ走る魚の猛攻を上手くいなす友人。結構な時間引き合っていたが、無事にその魚は友人の手に収まった。


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いやいやいやいや。デカすぎ笑笑。そして今までの釣れない釣行が嘘のような二連発。正直現実を理解するのに時間がかかった。幻の魚を1日に2匹も拝む日が来るなんて。。。友人でさえ、こうなるとは思っていなかったはずだ。

 

今まで見たなかで更にでかい。正直、驚きしかなかった。

 

釣れなかった日々のご褒美だったのか?しかしこうなると、初日に自分の竿に躍り出たやつをどうしてもこの手にしたくなった。もう、俺も本当に釣りたかった。

 

だが、最後まで友人の竿に反応があり、更にもう一本小型だが綺麗なアオウオを友人が追加し友人3本、俺0で今年ラスト釣行は終了した。

 

2019年の私の挑戦、ついに魚に出会うことができなかった。友人はしっかり魚に会うことができていた分、単に自分の実力不足。悔しさも多かったが、納得行く事も多かった。足りなかった分を来年までに補って、また一から挑戦する。

釣るまで必ず諦めない。と帰路、友人と自身の心に誓った。